トイレの話　�U


家の展示場とか住設備のショールームを見て回るうちに、

前々から気になっていたトイレを、思い切って変えることにしました。


ずいぶんと前、まだウオッシュレットが出始めの頃、新築した知人の家を訪問した時、

そのおうちにはウオッシュレット便器が備え付けてありました。

ウオッシュレットってどんなものなのか試してみたくなって、

操作の仕方がわからないまま、それも立ったままスイッチのボタンを押してしまいました。

突然想像もしなかったことが起こり、私はあわてて知人を大声で呼びました。

　　　　　　　
ニョキッと出てきたノズルから、チョロチョロと水が出てくると思っていたのに、

まぁ、飛んだ、飛んだ！天井まで飛んで新築のトイレの床とドアを濡らしてしまい

顔を近づけていた私も、あやうく頭から浴びるところでした。

知人は、”まぁ、好奇心旺盛なこと！”って笑いながら床を拭いてくれましたけど、

内心、私のおっちょこちょいぶりにあきれかえっていたでしょうね。


先日その話を友人の一人に話したら、

彼女もまた私と同じ失敗の経験者でした。

一回目は親戚の家で試した時、やはり天井まで水をとばして、こっそりと後片づけをしたと・・・

で、二回目はホームセンターで・・・

借りたトイレがウオッシュレットだったので、物珍しさからスイッチを押してしまい

前回と同様、水鉄砲のごとく勢いよく水を飛ばしてその部屋をびしょ濡れにしてしまい、

誰もいないのを幸いに、こそこそと逃げ帰ったことがあるって。

それ以来ウオッシュレットが恐くて、数年前に家を新築した時にも

普通のトイレをつけたと、笑いながら話してくれました。


よかったぁ〜・・・私だけじゃぁないんだぁ、こんな失敗！

ひょっとして、こんなことをしている人、結構いたりして・・・


だってね、先週取り付けてもらった我が家のウオッシュレット、

人が座らないとお水が出ないようになっているんですよ。

最近のはセンサーがついているので、座らないとスイッチが作動しないんですって・・・

工事をした人が説明をしてくれました。


お陰様で、ただいま快適なトイレライフを楽しんでおります。

一度も水を天井まで飛ばさないで・・・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002.10.10





久しぶりに３人で晩ご飯のテーブルを囲んで・・・・


ちょっと最近のニュースについて話してみた。

あの北海道の西友ストアーのごたごたについて・・・・


ねえ、あのお肉を買っていたらあなた達はどうする？

偽（いつわ）って牛肉を販売した西友ストアーが一番悪いんだけど、

だましてまで現金を受け取ったり、あんなに大騒ぎをする人達をみていると、

恥ずかしくなるわぁ。

日本人はもっと正直で恥じらいっていうものを持っていたのに、

これじゃあ、世界の人達に対して日本人のイメージぶちこわしだわ・・・


息子・・・えっ、それってフツウだよ。今の世の中。

僕だってノコノコと買ってもいないのに、お金をもらいに

行ってるかもしれない。

レシートがなくてもお金を返しますって言った西友が悪いわぁ。


　　 私・・・　　それって詐欺行為だよ。それでもフツウなの？
　　　　 　　　　ちょっとぶち切れ気味の口調で・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　息子・・・　う〜ん、そうだね。
　　　　　　　　やっぱり行かんかも知れない。
　　　　　　　　もし、友達とかの誘いに乗ったり、その時の風潮に乗って、
　　　　　　　　嘘の申告をしてお金をもらったら、お店に悪いと思って、その後
　　　　　　　　せっせとそのお店で買い物をするか、一生、後味の悪い思いをしながら
　　　　　　　　過ごすかも知れんなぁ。

　　娘・・・　買ったお肉が１０００円以下ぐらいだったら、わざわざ
　　　　　　　お金をもらいに行くなんて面倒だからほっとくわぁ。


そうだよね。私も行くのが面倒だから、もういいやぁ〜って行かないわぁ。

だって、そうは言っても食べちゃったんだもん。

息子、２５才、来年結婚の予定（あくまでも予定）。

娘、２７才、全然結婚の予定なし。

私、家計簿をつけていないずぼらな主婦。


西友ストアーの事後処理についての感想はこうでした。


それにしても、昔から”損して得とれ”っていうことわざがあるんだけど、

西友ストアーさんも、ちょっと騙して得したと思った偽造牛肉、

大変な大損をしましたね。


そして、その牛肉を買ってもいないのに、まんまと現金を手にした方、

儲けたようでも、どこかで大損を致しますよ。


一生升はイッショウマス。

どこかで釣り合いがとれるようになっている。

そんなもんではないでしょうか？

やましいことはやめましょうよ、売る側も買う側も・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002.10.3


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　
秋のせいでしょうか・・・


ふっと人恋しくて・・・

外出から帰ってきたときとか、

晩ご飯の用意が終わって家族の帰りを待っているときとか、

そんな時は特に人恋しくなります。


きょうもあちらの友人、こちらの友人に電話をかけまくるけど、

みなさんお忙しいようで、こちらも留守、あちらも留守。

とうとう母にまでかけてしまった。


母は一人暮らしをしている。

寂しくない？って尋ねると

クッキー作ったり、パンを作ったり、病院へ行ったり

きょうはパーマをかけてきた。

毎日とても忙しく、充実してるので寂しいなんて思わないよ。

暇だなぁ〜って思ったら絵筆を持って花を描いているって話す。

そういえば色紙に描いた水彩画がずらーっと並んでいたなぁ。

じょうずに時間を過ごしているんだ。


私にも時間が足りないぐらいすることがたくさんある。

それなのになんでこうも心の中が満たされない？


楽しませてくれるものも、人もいっぱいいるのに

なぜか人恋しい。


そんなことをつぶやく私に友人の一人が、

”わかった！　komaさん、やはりお暇なのよ〜”


オヒマ？？？

そっかぁ・・・暇なのかぁ・・・

そうなのかもしれないなぁ・・・妙に納得。


空になった巣の中で、

飛び立っていった雛たちをさがしているおかあさんなのかもしれない・・・

　　　　　　　
子育ての忙しさがとても満ち足りて楽しかったことを改めて思う。

まさに空の巣症候群です・・・私・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002.9.26


　　　　　



あれから・・・


想像もつかなかった、戦争とも言えるテロ事件が起きてから一年が過ぎました。

テレビに映し出された衝撃的なあの場面は一年たった今でもはっきりと覚えています。


なぜあのような無差別攻撃をしなければいけなかったのか。

戦うこととは縁のない生活を、懸命に生きている人たちの命を奪うということ。

その意味は何？


アメリカに対する怒りがあるのなら、

なぜその意思表示を国家に向けなかったのか。

あの美しいツインビルを壊して、

真面目に日々をこなしている市民の命を奪って、

何が解決するのか、したのか・・・


単純な私には理解ができません。


アメリカもなに故にアフガンに向けて報復をしなければいけなかったのか。

たくさんの爆撃をしかけて町を壊し、山岳を壊して、

得たものは何？

ここでも、与えられた生を真面目に紡いでいる、

武器を持たない女性と子供の多数の犠牲者。


なのに標的としていた人物の消息は今だに不明。

あれだけの犠牲を強いて得たものは一体、何？


ブッシュさん、あなたのお母さんはあなたが戦争が好きなことを

喜んでおられますか？

そのために産んで育てられたのですか？・・・・って尋ねてみたい。


今度はイラクにその銃口が向けられている。

本当に平和な世界を築こうとしているのですか？

ただ戦争が好きなだけではないのですか？

アメリカ大統領に聞いてみたい・・・・


テロは絶対に許されることではないけれど、

報復とかテロ撲滅の為という大義名分のもとで

戦争が起きるんじゃないかと真剣に心配しているこの頃です。

　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002.9.12

　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


ボケタ？？？


　9月だというのにまだ暑い日、

日用雑貨とか食品を買って帰ってきました。

汗をふきながら買ってきた食材を冷蔵庫におさめた後、

安売りをしていたのでつい買いだめしたトイレットペーパーを

両手に抱えてトイレに収めに入りました。

そのまますぐに出ればよかったんだけど、

ついでに・・・と座りました。　


我が家の住人はオトコが二人とオンナが二人。

当然のごとくオトコタチが使用する時は例のU字型のカバーを上に起こして使います。

いつもならそれが上がっているか、かぶさっているか確かめて座るんだけど、

きょうはトイレットペーパーをおさめた後、うっかりそのまま座ってしまいました。


運悪くそのU字型はあがったままでした。

スポッと体がはまってしまい、冷たい感触と共に両手が宙を舞います。

ヒィェ〜、何？・・何？・・ふいをつかれた驚きで血が頭に逆流しました。

眠気もすっ飛んでしまいました。

もう、私ったら・・・・何をしでかしたかすぐにわかりました。

懲りもしないでまたやってしまった。

確か、これで3回目。

誰も見ていないのはわかっているのに、恥ずかしくて、

キョロキョロと後ろを振り返っていました。


もう〜　これって、

暑さぼけ？・・・それとも年ぼけ？・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002.9.5



　無花果


　無花果のおいしい季節になりました。

　私がいちじくって言葉を知ったのは、小学生低学年の頃、

　叔父がプレゼントしてくれた世界童話集を読んだ時です。


　無花果の木を持っている若者が、

　世界一おいしい無花果を携（たずさ）えてお城にあがり

　病気の王女様を助ける話だったと思います。

　その無花果がいかにおいしいものかがすばらしく描写されていて、

　話の内容よりもその味が気になって、気になって、

　絵に描いてある無花果ばかり眺めてその味を想像していました。


　あまり親にねだる子ではない私でしたけど、

　その童話に出てくる無花果が食べたくて、かなりしつこくねだった覚えがあります。

　その頃は”食”も豊かな時代ではありません。

　すぐには手に入らなかったのでしょう。

　無花果のことはいつか忘れてしまって・・・いや、あきらめていました。


　それでも、父はどこか心に留めていたのか、

　いつの間にか家の裏庭に無花果の木を植えていました。

　その木に小さな実が数個つきました。

　すごい期待を込めて初めて口にした無花果ですが、

　絵に描かれていたものとは形も違い固い実でした。

　味は・・・その時に感じた味を思い出せません・・・おいしいともまずいとも・・・

　多分それほどおいしくはなかったんでしょうね。

　無花果のことはそれっきり思わなくなっていました。


　それがまた最近、無花果の虜になっています。

　福山に住むようになって初めて食べた到来物の無花果がおいしくて、おいしくて！！

　それを食べた時、あの本がよみがえってきました。

　”あぁ、これだったんだ！　やっぱり想像していた通りだったんだ！”って。

　実家の裏庭に植えてあったあの無花果の味は違っていました。

　多分、子供心に味が育つまで待てなくて取って食べていたんでしょうね。

　おいしさを知らずに大人になっていました。


　先日、私はその童話の本が読みたくなって実家へ帰りました。

　家中の棚を探して見たけど、その本だけが見あたりません。

　いつの日かボロボロになって捨ててしまったのでしょうか。

　本の名前は忘れましたけど、

　幽霊船の話だとか、”ムタボール”って呪文を唱えると願いが叶うという話などが

　収められている本です。

　私が本好きになった原点の物なのに大切にとっておけば良かった。

　探せば今でも本屋さんにあるでしょうか・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　2002.8.29
　　　　　　　　　　　　



　六甲に・・・


　神戸の街を散策した後

　車を六甲に走らせました。、

　ハーバーランドとかデパートとか街中（まちなか）を訪れることはあるけど

　六甲まで足を運ぶことは何年もありませんでした。


　二十歳を過ぎた頃、私にも素敵な一瞬（とき）がありました。

　人を好きになるってことがこんなにも心地いいものかって

　初めて知ったときです。


　クリスマス・イブの日

　その人はどこに行きたい？ってたずねます。

　六甲に行きたいっていう私を助手席に乗せて芦有(ろゆう）道路を走らせます。

　夜景がきれいで、増してとても好きな人と一緒です。

　星も・・・眼下に見える景色も・・・冷たい雪を含んだ空気も・・・

　私にとっては特別なものでした。

　ひと呼吸ごと過ぎていく時間がとても惜しくて、

　その人の腕に両手をからませて

　その人の話す声に全神経をかたむけていました。

　ずぅーっと、ずぅーっと一緒にいる人だと思っていました。

　数ヶ月後にその人が病にかかるまでは・・・


　病は人の気持ちまでもこわします。

　いつかぎくしゃくと咬み合わなくなって、

　いくつかの二人で作った思い出を胸の奥にしまい込み

　縁のない人となってしまいました・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　久しぶりに訪れた六甲の山頂で、

　そんなことをしばらくの間思い出していました。

　もう、３０年も前のことなのに、

　とても、とても心が騒ぎました。


　その人に会ってみたくなりました。

　だけど私の記憶の中のその人は、

　スラリと背が高くて素敵な人のままで止まっています。

　っていうことは、その人の記憶の中の私も

　スタイルのいい、かわいいままの私で止まっているはず。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　やっぱり会わない方がいいか。

　はげた頭にでっぷりとお腹の出ている姿・・・になってるかも・・・と

　おばさん体型ばりばりの私が会ったら

　３０年前の六甲の二人はまったく別人になってしまうもんね。


　横にいる夫の姿を見て

　ふとそんなふうに現実を考えてしまいました。


　不思議なものです

　その時の胸のざわつきって何十年たっても消えてないんです。

　もう忘れてしまっていると思っていた胸のざわつきに

　ホーッとため息がでました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００２．８．２２



　上弦の月


　ペルセウス座流星群の流れ星が見たくなって友人を誘いました。

　毎年夜中に起きて見ている流れ星だけど、昨夜見ることができず、

　きょう、一つでも見えるといいな・・・と思って・・・


　少し時間的に早いんだけど、いつものウオーキングコースを

　歩きながら空を見上げます。


　残念なことにきょうも北東の空には雲がかかっていて

　流れ星を見ることは期待できません。

　北斗七星、カシオペア座ははっきりと見えて

　夏空は実感できるんだけど・・・


　私達が歩く道には坂道が二、三あります。

　けっこう険しい坂道もあったりして

　多分昼間に見たら歩く気にはならないでしょう。


　その坂道のてっぺんを下から見上げると

　ちょうど額におさまった絵のように

　西の空に上弦の月が見えました。


　汗をふきながら二人して

　きれいねーって見とれます。


　ここまでの会話はとても情緒があって良かったんだけど・・・

　またしても私はぶちこわしてしまいました。


　彼女　「これから太るのかなぁ、やせるのかなぁ」

　私、自分のおなかをさすりながら

　　　　　　　「暑くても食欲あるからもっと太るんちゃう？」

　彼女　「？？？？？」・・・私がお腹をさすってる姿を見て、

　　　　　「もぉぉぉぉ〜、オッツキサンノハ・ナ・シィ。月が太るのかなぁ、やせるのかなぁって言ったのっ！」

　あらら、私いつも自分の体型を気にしているから、

　太る痩せるって言葉を聞くと、話の流れに関係なく自分に当てはめてしまうんよなぁ。

　ご、ごめんなさぁ〜い！せっかく夏の夜空を楽しんでいたのにねぇ。

　　　　　　
　流れ星も上弦の月もどっかへぶっとんでしまって、

　笑いながらの、冷や汗混じりの汗をかきながらの帰り道になりました。

　　　　
　それにしても、この上弦のお月様、これから太るのかしら・・・

　私は痩せたいんだけど・・・
　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００２．８．１３